フィレンツェはイタリアの中でも芸術の町としてよく知られています。イタリアの格言に”美しいものが美しいのではない、好きなものが美しいのだ”というのがありますがではフィレンツェの芸術は全てが美しいと思いますか?
Italian me のコースに参加して是非それご自身の目で確かめてみてください。フィレンツェの建築や造形芸術については実はいろいろと議論もあったんです。

まずはじめにシニョーリア広場について。

ベッキオ宮殿の左手にあるネプチューンの噴水。今では観光客の絶好の写真スポットとなっている芸術作品ですよね。でもこのモニュメントが置かれた当時のフィレンツェではなんとも評判が良くなったようで、皮肉屋のフィレンツェ人からは作者のBartolmeo Ammannati に”Ammannatiよ、お前はどんだけ大理石を無駄にするんだ!”と批判していたらしいです。今でも生粋のフィレンツェ人からは”ビアンコーネ”(ビアンコ=白い、を少しバカにした表現・・白くてでかいやつ、みたいな意味)と呼ばれてますからね・・あまり評価が高くないのかもしれません。

二つ目の例は実は観ることはできません。それは日本人建築家、磯崎新氏のウフィッツィ美術館の出口の設計です。彼は90年代にこのプロジェクトの国際的なコンクールの優勝者として公式に選ばれたわけなのですが、プロジェクトは建築前に頓挫してしまいました。

彼のプロジェクトは現代的なテイストの巨大な空間を持つ出口の設計だったのですが、洗練されたモダンなテイストを拒むフィレンツェ人が多く今だにプロジェクトは進行していません。

またもう一つの例は、建築家Leonardo Ricci による新しいフィレンツェの裁判所です。

2013年に完成したこの建物はフィレンツェ空港から市内に入るときの通り沿いに見ることができます。フィレンツェ人はすぐにこれを”Gotham City”と言って批判しました。フィレンツェというルネッサンスの町には大きすぎる、近代的すぎる、高すぎる!というのがその理由です。